吸引と押出しの分娩

3%の奇跡と高齢出産の軌跡

「あぐらで座った方が下に降りてくるからできたら座ってみましょうか」

と言われても向きを変えるだけでも大変で、お尻あたりが痛すぎて下半身に力が入らないのです。

そんなこんなで先生が入ってきて様子を確認しているのが聞こえて、バタバタと数人が動き出しました。バチバチとゴム手袋をはめるような音。

テキパキと両脚を固定され、まな板の鯉状態。

「あ〜、これは狭いね、切れそうな感じだね。」

これが会陰切開というものか。

「切りますねー。」

その前に麻酔をしたのかはもう記憶にないし、それどころではない痛さで唸る。

「もう産まれるよー。しっかり息んでねー。」

もう痛過ぎて訳わかりません。

「ちょっとお手伝いしますねー」

何やら掃除機みたいなもので吸引するらしいことがわかった。早く出さねば赤ちゃんが伸びてしまうと思い焦る。

すると男性の先生が私のお腹、溝落ちあたりから両手でグイッと体重をかけて乗っかっている!

私も苦しいし赤ちゃんも早く出さないと押し潰されて死んでしまう〜と思い、渾身の力を振り絞って、

「ウォーーーーーーー」

「いいね〜もうすぐ出るよ〜。しっかり赤ちゃん出てくるところ見て〜。しっかり見て。もう少ししたら力抜くからね」

すると産道を通る感触がわかり、

「はい!力抜いて!」

すると、スルッと塊が出て先生がキャッチしたのが見えました。

泣くか?一瞬静けさがあり、

「オキャー オキャー」

小さな泣き声にホッと安心して涙が溢れてました。

「元気な赤ちゃんですよ〜。」

つづく